【散歩道】昨日までの夜、今日からの夜。再び明かりの灯った街を歩く。

緊急事態宣言が明けて

緊急事態宣言が明けた今日、おりしも台風が関東近辺を通過して行った。

夜、散歩に出ると、綺麗な夜空にちぎれた雲が点々としていた。

台風は僕らに脅威をもたらすけれど、過ぎ去った後には美しい空を残していってくれる。

明日の太陽を待ち遠しく歩いていてふと気がつく。

昨日よりも街が明るいことに。

そして、新しい夜が始まったことを知る。

おかえり、と明るい夜を迎えながらも、心のどこかで昨日までの夜も悪くなかったなと呟く。

気持ちのいい秋の夜風に吹かれながら、ふと別れを惜しんだ。

おそらく、もう出会うことのない静かな夜を。

もう、繰り返してはいけない物憂げな街を。

虫の声が響く、車の少ない大通りを。

一人一人が守るべきことを守って街は色づき始める。

灯った火を消さないために、今すべきことをしよう。

それでは良い1日を。